こんにちは。
今回は文献管理ツール、Mendeleyについて書こうと思います。
目次
論文等の管理、どうしてますか?
大学に入り研究室に配属されるとたくさんの論文を読むことになると思います。それらの論文をどのような形で管理していますか?「全て印刷して書き込んでファイルにまとめる」「PDFを保存してデータに書き込む」「管理ソフトに保存して色々書き込む」「私の脳がデータベース、全て記憶済み」など、色々手段はあります。どの手段であれ自分が最も使いやすいものを使っていれば良いです。しかし、現在それに不満を持ってる方やこれから研究室に配属されて論文をたくさん読むことになる方は今からどの手段を使うかを考えた方が良いかと思います。
Evernoteプレミアム派でしたが…
つい最近まで僕は論文管理でEvernoteのプレミアム版を使っていました。
上にiTunesのアプリのリンク先を貼っておきます。見たことある人もいるかもしれませんが、あのゾウさんシンボルが特徴的なアプリです。仕事のメモからTwitterのツイート、気になったウェブ記事、レシピ、家計簿など何でもかんでもノートに書き込んで保存できる便利なアプリです。
1年前に学生限定のキャンペーンでプレミアム版の1年分の使用料が割引されていた(確か半額?だったかな?)ので使い始めました。論文管理において便利な機能は以下の通りです。
- 検索機能はPDFのタイトルだけでなく、PDFの内容全文が対象(プレミアム版のみ)
- WordであれExcelであれ多種多様なファイルから構成されるSupplemental imformationの全てのファイルを1つのノートに格納できる
- ブラウザで開いたPDFをそのまま保存できる
特に一番上の機能が最強でした。例えば、PDFで保存した論文のまとまっているフォルダから目的の論文を探す際、論文のタイトルを知らない限りその論文を検索して探し出すことはできません。論文はたまにメインに話す事柄がタイトルに書いていないため、検索をかけてもヒットしないためです。しかし、Evernoteの機能ならPDFの中身まで検索できるので、目的の論文をすぐに見つけることができます。
Evernoteプレミアムは有料だけあってめちゃめちゃ便利でしたが、半額の期間が終わり月600円つまり年7200円かかるようになってしまいました。これを高いか安いか考えるのは個人に委ねますが、自分には高かったので泣く泣く乗り換えを決断しました。正直論文管理以外で使用しないEvernoteに7200円もかけていられないからです。そんな時に見つけたのがMendeleyという論文管理ツールです。
Mendeleyとは?
Wikipediaの文章を拝借します。
Mendeley は学術論文の管理とオンラインでの情報共有を目的とした、デスクトップアプリケーションおよびウェブアプリケーションの引用管理ソフトウェアである。PDFファイルの文献情報を管理するデスクトップアプリケーションである "Mendeley Desktop" と、オンラインの研究者ネットワークを提供する "Mendeley Web" から構成されている。
Evernoteとは違い、論文の管理専用のアプリケーションとなっています。続いてWikipediaにはその特徴もまとまっているのでこれも拝借。
- Mendeley Desktop は Qt を使って作られており、Windows、Mac、Linux のいずれの OS でも動作する。
- PDF ファイルのメタデータの自動抽出
- オンラインの個人アカウントを利用することで、複数のコンピュータ間での同期やバックアップが可能。
- 付箋紙やテキストの強調表示、フルスクリーン表記機能の付いた PDF ファイルビューアを搭載。
- 全文検索
- スマートフィルタ、タグ機能、PDF ファイルの自動リネーム機能
- Microsoft Word や OpenOffice への引用・参考文献挿入プラグインの提供
- ウェブブラウザのブックマーク経由での、外部ウェブサイト(PubMed、Google Scholar、arXiv等)からの文献のインポート機能
- BibTEX 形式の出力、ファイル同期
- 文献リストの共有、論文に付けた注釈やタグの共有
- ソーシャル・ネットワーキング・サービス(ニュースの配信、コメント、プロフィールページ等)の提供
- 利用状況に基づいた、論文・著者・出版物に関する統計情報の提供
- iPhone アプリケーション
- 機関向プランMendeley Institutional Editionをリリース(オランダ-スエッツ社との提携)
良いと思われる機能は太字にしてあります。これだけ載せても分かりにくいので、次の項で説明しようと思います。
Mendeleyのメリット
ここがすごい!と思ったところだけ選んで載せておきます。
○全文検索
つまり、検索がPDFの中身まで対応しているという事です。これが出来るのがMendeleyの強みの1つでもあります。
○オンライン対応
研究に使用しているデバイスとして、ノートパソコン、iPad、あと外出先に少し論文を整理・閲覧したい時にiPhone、この3つを使用しています。Mendeleyに保存した論文は全てオンライン上に保存・同期されるので、保存後は全てのデバイスでアクセスすることができます。作業しやすいノートパソコンで論文を大量に保存して、手元で見やすいiPadで閲覧、なんてことも可能です。
○ブラウザからのインポート機能
Webブラウザのプラグイン機能を使うことで、ブラウザで開いた論文のPDFをそのままインポートすることができます。インポートする際に論文のタイトルはもちろん、著者や雑誌社、発行年などの情報も一緒に書き込まれるので大変便利です。
※ChromeやIEなどには対応していますが、Edgeには対応していないようです。(無理やり対応させる裏技もあるにはあるようですが、Edgeにこだわりがない限り違うブラウザを使用することをオススメします。)
○PDF ファイルのメタデータの自動抽出
PDFをインポートした際に論文のタイトルや著者の名前などその中身の情報をいちいち書き出す必要はありません、全て自動で抽出してくれます。元々別に保存してあるPDFファイルでもMendeleyに取り込む際に全てPDFから情報を抽出してデータ化してくれるのでその手間は必要ありません。
○フォルダやタグによる分類分け
論文を綺麗に整理することができます。研究内容や分野に合わせてファイルやタグを使い分けるといいと思います。
○Microsoft Word や OpenOffice への引用・参考文献挿入プラグインの提供
私は研究者の卵なのでまだ論文を書いたことが無いので使用したことはありませんが、これもMendeleyの強いツールです。Mendeleyに保存した論文を引用して使用する場合、投稿する雑誌社のフォーマットに合わせて自動で情報を挿入することが出来ます。引用論文の情報をコピぺ、次の論文をコピぺ。なんて面倒とはもうおさらばできます。
○supplementalyのPDFとの合体が楽
論文の本文とsupplementalyの2つのPDFをセットで管理することができます。本文とsupplementalyのPDFはバラバラになりがちなので、この機能はとても助かります。論文のMerge機能を使用することで、1つの論文タイトルに本文とsupplementlyのPDFをまとめることができます。
○無料
驚くことなかれ、こんなにも便利なツールが無料です。もう一度言います、無料です。本当にいいんですか?と思ってしまいます。
Mendeleyのデメリット
特徴の一つに"iPhoneアプリケーション"とありますが、たまーにバグります、iPadでもそうです。2018年末はクラッシュしてばかりで本当に使い物になりませんでしたが、久しぶりに使用してみたらアプデによってほぼクラッシュしなくなりましたがそれでも… 論文の取り込みは使用できるのですが、閲覧や検索をしようとすると、フリーズしたりバグったりします。そのため、私はサードパーティアプリを使ってMendeleyを使っています。
Papershipというアプリです。上にアプリのリンクを貼っておきます。これなら快適に動作し、問題なく動作します。(2019年1月現在。以降のアップデートでなんとかなる?) しかし、Papershipに書き込んだメモ等はMendeleyには反映されないので注意が必要です。
Mendeleyの使い方
申し訳ありませんがここでの説明は省きます。以下に公式の使い方のリンクを置いておきますのでそれをご参考に。
エルゼビア| 情報分析企業| Empowering Knowledge
また、僕の通う大学では、文献管理の方法という表題でMendeleyの使い方を教えてくれる大学主催のセミナーもやっていましたので、それに参加するのが使い方の習熟の近道かもしれません。
Mendeley、本当にオススメのツールなので是非使ってみてください。