ベンゼンのおもちゃ箱

ベンゼンのおもちゃ箱

色々自作してる人です。知識が浅いので所々間違っているところもありますがお許しを。

日本学術振興会(学振)特別研究員(DC1) 申請書を書いた時に気をつけたこと

 

 

 

こんにちは。

今回は 学振DC1について、私が申請書を書くにあたって気をつけたポイントについてまとめようと思います。

メインは文理関係なく当てはまる申請書のフォーマット等について書きます。

 

 

この記事を書く理由

審査員の方々は我々学生のどこに注目して採点をしているのか。人類の発展に大きく貢献するような研究内容?論文の投稿数や発表での受賞数?

それらも大事なファクターであることには変わりませんが、私は一番に申請書の"読みやすさ"だと思います。

とあるブログに書いてありましたが、審査員はどこかのラボのお偉い先生方です。研究はもちろん論文の執筆作業、大学の講義や雑務など日々様々な仕事に追われている中で、何十枚(下手したら何百枚?実際は知りませんが)もの学振の申請書を見るわけです。我々が1、2か月の間血の滲むような努力をして申請書を書きあげても、結果的に審査員の先生がそれを眺める時間は長くても数十分でしょう。

さらには、審査員は偉大な先生とはいえ一人の人間です。NatureやScienceに論文がacceptされて上機嫌な日もあれば、研究費獲得に失敗してとても機嫌の悪い日だってあります(あくまで例です)。そんな機嫌の悪い日に自分の提出した申請書が読まれたらどうなるでしょうか。しかもその申請書が文字だらけで太字などの協調効果のない、まるで新聞のようだったらどうなるでしょうか。おそらくその見た目だけでも正しく評価する気が削がれて低い評価がついてしまうことでしょう。

そうならないために、短い時間でいかに自分の研究、そして自分という人間を評価してもらうか、これが鍵になると私は考えています。

 

禁止事項に書かれていないことは自由にしてよい

申請書には枠の大きさの変更など禁止されている事が色々書かれていますが、フォントや大きさについては特に禁止事項は書かれていません。つまり、自由に設定を変えてしまって良いのです(案外知らない人がいる)。

そこで、いかに見やすくて読みやすい申請書を書くか、特にフォントや図など見栄えに注目してこれからまとめようと思います。

  

フォントと行間

これが一番の肝です。ここの設定で申請書全体を眺めた時の雰囲気が決まります。その雰囲気は審査員の心情に大きく作用するはずです。

色々なサイトに書いてあるおすすめフォントを試しつつ自分で実際に印刷して眺めてみたところ、この設定がしっくりきました。

 

書体: 基本游明朝体(日本語) / Times New Romance(英数)

フォントサイズ: 11pt

行間: 15pt

 

 そして、その設定で実際にWordで文章を書くと以下のような感じになります。

f:id:zurapoppo:20200201201351j:plain

上がダウンロードしたままのフォーマット、下がおすすめのフォーマットです。一見するとフォントサイズが大きくなっただけで見やすくなったと思われますが、そんなことはありません。游明朝体はデフォルトのフォントに比べてかなり見やすくなっています。フォントが大きく行間も広いので、全体的にスッキリしていてどんな方でも見やすいフォーマットになっているかと思います。正直、Wordの画面上ではあまり違いは分かりにくいです。なので、一度紙に印刷してその違いを比べてもらうのが良いと思います。

 

強調効果

次に大切なポイント。

強調には、太字・下線・ゴシック体の使用などが挙げられます。

強調したい箇所に太字やゴシックを使いすぎても細字との差で目がチカチカするし、逆に下線はその下の文字にも目がいってしまうのであまり使いたくありません。

それに強調を下線しか使わなかった場合、文全体を眺めた時にパッと目につくものがなく何処かパンチがありません。

そこで、下線を使わずに太字と網掛けの2つを使って階級をつける作戦をとりました。普通なら

太字(orゴシック) > 普通

の2段階の強調のみです。

そこで、

太字+網掛け +隅カッコ > 太字 > 普通

とすることで3段階の強調効果を作り出せます。

実際の使い方としては

申請書に書くお題に"【游ゴシック+太字+網掛け】"

トピックや本文でアピールしたいところに"游ゴシック+太字"

本文に"游明朝体"

を使っていました。

一応例で写真を載せておきます。

 

f:id:zurapoppo:20200204181036j:plain

 

下線に頼らなくとも、綺麗に強調の階級を作れていると思います。

 

作図

ここに割と時間がとられました。モデル図を入れたいと考えている人は参考にしてください。

自分の申請書では、文字だけで伝えきれないやや複雑な実験系を説明しなければいけなかったので、簡単なモデル図を描く必要がありました。はじめはPowerPointで描いて最高画質のPNGで貼り付け、としていたのですが、印刷すると解像度が落ちてボケてしまいました。そこで、解像度が変わらない画像にして使うことにしました。

 (それもそのはず、PNGはドットにより描写するラスター画像であるため解像度が落ちてしまいます。そのため、最終的には図形が解像度に依存しないベクター画像を使って作図しました。)

 

◯やり方

(他により簡単なやり方があるかもしれませんが、自分がやったのは以下の方法です。)

  1. パワーポイントで図を作成する
  2. ファイル⇒名前を付けて保存⇒ファイル形式に"拡張Windowsメタファイル(*.emf)"を選択
  3. 貼り付けたい画像をクリップボードにコピー
  4. 申請書のWordに貼り付け

 

写真の添付

写真を使ってパワポで何か作図したり手を加えてから図として申請書に貼り付ける場合、パワポの初期設定のままだと写真の画質が落ちます。そのため、パワポのタブから

ファイル⇒オプション⇒詳細設定の中にある"画像を圧縮しない"にチェックを入れる

ことで元の画質のままパワポで編集をすることができます。

 

 最後に

本当は自分の申請書を公開できればよいのですが公開できないことが残念です。

また、ここに書いてあることがすべてではありません、他にも良い書き方が無数にあると思います。申請期日まで試行錯誤して自分で納得のいく申請書を作れれば幸いです。